ガイド波(その2)

分散曲線について

 分散曲線の導出と伝播形態の求め方はこちら

 分散曲線とは,ある材料にガイド波を伝播させた場合,どのようなモードが発生し,音速はいくつであるかを表した図である.分散曲線には,群速度と位相速度の2つのグラフで表させる.以下に実際の分散曲線を示す.

 位相速度分散曲線



 群速度分散曲線



 これは,アルミニウム平板のラム波分散曲線である.横軸が周波数と平板の厚みの積であり,縦軸がそれぞれの音速である.これらを見ることで周波数と伝播するモードの関係と各モードの音速がわかる.群速度は波群の音速であり,波長は位相速度より求められる.

では実際に検査等を行った場合を考えて見ます. →次へ(工事中)

 <備考> カットオフ周波数とラム波の理解

 カットオフ周波数
 高次のモードはある周波数に近づくと位相速度が無限大になり,群速度がゼロに収束してしまう.この周波数をカットオフ周波数と呼ぶ.この時現象として何が起きているかを考える.まず,位相速度が無限大なのは,平板全体の位相が同じであるとも言える.また群速度が0と言うことは波郡は全く進まないと言える.これら2つを満たすものは,平板全体が同じように歪んでいる現象である.このような現象が起きるのがカットオフ周波数の時なのである.また,ここではこのようなモードを群速度が0であることから非伝播モードとする.

 ラム波について
 ラム波とは平板を伝播するガイド波の1種で振動形態は・・・(後日作ります)

 ガイド波のモードはどのように出来るのか
 ラム波の伝播形態(モード)は,波動方程式に境界条件を与えることで求めることが出来る.ある平板の1点を叩いた場合,平板上では無限とも言える多くのモードが足しあわされ,励起された波と外から与えられた外力が一致する形となる.これら多くのモードのうち伝播するモードのみが伝播するのである.(実際に解析した図)
 しかし,分散曲線を求める時に得られた波数が虚数となる場合がある.つまり,得られた波動形態の式の Aexpi{kx−ωt} のが虚数となるので,(ただし,は振幅,expはエクスポネンシャル,は虚数,は波数,は距離,ωは角周波数,は時間)

  Aexpi{ikx−ωt}=Aexp{−kx}*expi{−ωt}

と書くことが出来これは距離とともに減衰していく波となる.実際の探傷の際にはこのモードは受信することは出来ない.減衰は励起後すぐにほぼ0となってしまうからである.

以上よりガイド波には3つの形態に分類することが出来る.

 1.伝播モード
 (分散曲線上のモード)

 2.非伝播モード
 (カットオフ周波数の時の群速度が0に収束するモード)

 3.減衰モード
 (波数が虚数となるモード)


 これらは,実際の探傷においては伝播モードのみの知識があればいいので必要としない知識であるが,解析等を行う場合これらのことを理解する必要がある.